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HIROYUKI UEDA
MIKI UEDA

滋賀県情報

2019.05.13

 

水辺の暮らしを楽しむ ― 白湖 in 高島 ―

 

東側に琵琶湖、西側に比良山系を抱え、源流の郷と呼ばれる高島市。

その南端にある江戸時代の城下町、大溝は、古い家並みや水路がいまも大切に受け継がれ、

日常の風景に溶け込んでいます。そんな大溝の自然と暮らしに魅せられ移住し、

シェアスペース「白湖」をプレオープンした上田夫妻に、高島の魅力と楽しみ方をうかがいました。

―白湖をオープンされたきっかけは?

 

洋行さん:移住して2 年経ったころ、妻が携わる大溝の町づくりの仕事で、空き家ツアーが開催されました。3 軒紹介されたのですが、ここだけずっと残っていて。ならば、ぼくたちで何かしようと、地元の方がカフェやイベントを開き、それを観光客が楽しむことのできる場所をつくることにしました。「白湖」というのは、琵琶湖と空が溶け合うような、すごく淡くて優しい風景が好きでつけた名前です。壁の一部には、浜辺で拾い集めた古い陶器の破片を埋め込んであります。昔の人は湖の水で食器を洗うなど、琵琶湖が生活の一部だったので、散策していると割とそうしたのが落ちているんです。一つ一つの破片を通して、ぼくたちの滋賀を愛する気持ちが伝わればいいなと思います。

 

 

自分たちでリノベーションした昭和中期の空き店舗。壁には滋賀関連の書籍が並ぶ。

 

 

―大溝での暮らしはいかがですか?

 

未來さん:田舎暮らしの難しさはまったく感じていません。みなさん優しくて、歴史のある土地柄から歴史好きな方が多くて勉強熱心です。また、江戸時代から受け継がれる古式水道がすごく発達していて、いまも生活用水に使われています。古式水道とは、山水や湧水をサイフォンの原理で各戸に配水するもので、昔は竹筒が使われていたそうです。家の中のものなので、外からはわかりづらいですが、そうした日本の暮らしの「まめまめしさ」が、大溝に限らず高島には今も息づいていて素敵だと思います。

 

 

壁の一部には浜辺で拾い集めた陶器が埋め込まれている。壁土は隣接する土蔵のものを練り直し蘇らせた。

 

 

―豊かな自然に寄り添う暮らしなのですね。

 

未來さん:はい。この辺りは山と琵琶湖が近いので、自然のなかに人の暮らしがあると感じます。第一次産業も盛んで、琵琶湖とともに育まれてきた農林漁業()が日本農業遺産に認定されたのも納得できます。

 

 

大溝の乙女ヶ池は、織田信長の命により築かれた大溝城の外濠として利用され、いまもその石垣が残る。

 

 

―おすすめの高島の楽しみ方を教えてください。

 

洋行さん:白鬚神社のあたりは地下水がどんどん湧き出るところなので、水がとてもきれいです。ボートから湖上の鳥居越しに神社を拝むこともできます。夏は泳げるところもたくさんありますよ。車で移動される方が大半ですが、これからの季節は混雑することもあるので、ゆとりをもって道中を楽しんでもらいたいです。例えば、自転車で西近江路の集落を探索しながら暮らしの美を感じたり、湖岸の景色をゆったりと見て楽しんだりするのがおすすめです。電車旅もいいですよ。湖西線からは琵琶湖が一望できますし、山が近いのでこれからの季節は新緑がきれいです。東京から京都経由だと電車一本で来られるので、ぜひ高島へお越しください!

 

※森・里・湖(うみ)に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム

 

 

古式水道の配水設備「タチアガリ」。いまも生活用水として暮らしに根付いている

 

 

 

■ PROFILE

上田 洋行(うえだ ひろゆき)さん、未來(みき)さん

白湖オーナー

洋行さん:福井県坂井市出身。長年、福祉の仕事に携わる。

未來さん:大津市瀬田出身。移住後、大溝の町づくりに携わる。

空き家ツアーで偶然出会った昭和中期の空き店舗を、自分たちでリノベーションし昨年末に「白湖」をプレオープンした。

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撮影・山崎 純敬 / SHIGAgrapher

ライター・大山 真季