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KAZUHIRO HIRATSUKA

滋賀県情報

2019.10.10

メイド・イン・ジャパンで楽しく豊かに住まう「木のある暮らし」

 

鈴鹿山脈を背後に抱え、森林面積が町の85%を占める犬上郡多賀町。

“ここ滋賀”で使用される木の家具や雑貨の一部は、この緑豊かな町でつくられています。

多賀町産木材の活用に情熱を燃やす株式会社ひらつか建築の平塚一弘さんに、

現在の取り組みと、これからの挑戦についてお話を伺いました。

 

―貴社は多賀町産木材を使用した家具や雑貨づくりに、積極的に取り組んでいると伺いました。具体的にどのような活動でしょうか。

 

弊社は、平成24 年に発足した様々な木材関係者で構成されるワーキンググループの一員として、多賀町産木材の流通の活性化に取り組んでいます。大工工務店である弊社の主な業務は家づくりですが、これからは地域との繋がりを深めるために「楽しく豊かな暮らし」を実現するアイテムも提案したいと思い、多賀町産木材を使ったデザイン性の高い家具や雑貨を自社で開発することにしました。森林資源の循環によって水源でもある山を守ることは、下流域の安全や琵琶湖の水質を守ることにもつながります。町が有する森林面積からも森林保全を担う私たちの責任は大きいと思います。

 

 

テーブルタイプの「おとばこ+」。スマートフォンから流れる音色が心地よく広がる。日本のものづくりの原点のひとつ、と古いラジオを出しながら。

 

 

―そうして生まれたのが、“ここ滋賀”の地酒バーで使用されるカウンターチェアやカッティングボード、スマホスピーカー「おとばこ+」なのですね。

 

そうです。しかし、試行錯誤するなかで、自然乾燥のみの木材は加工後に乾燥が進み、接合部分に隙間ができるなどの問題が生じました。そこで、太陽熱などを利用した省エネルギー型の木材乾燥庫を一から作り木材を乾燥させたところ、家具の完成度は飛躍的に上がりました。私がここまで品質にこだわるのは、長く愛されるものづくりをしたいからです。木は経年変化を楽しむことができます。高い品質で「メイド・イン・ジャパン」の心を形にしていきたいと思います。

 

 

素材の個性が引き立つ多賀町産木材のプロダクト。

 

 

―これから挑戦したいことはありますか?

 

町内における木材の自給率UP です。建材の供給体制も整いつつあり、私たちはいよいよ建築でも森林資源の循環に取り組もうとしています。ワクワクすることを発信したいですね。また、木育を通して人づくりに貢献できればと思います。幼いときから木に触れ、木から森を学べば、将来は何らかの形で木の仕事に就く子どもが育ってくれるのではないかと期待します。また、木育の場が親同士の交流の場となり、そうした環境があることも多賀らしさにしていけるのではないかと思います。

 

 

 

木の組み合わせが美しい家具「組美木」の構造を語る平塚さん。

 

 

―最後に多賀の魅力について教えてください。

 

自然を感じ学ぶことのできる町、それが多賀の魅力だと思います。山中には多賀大社(2018 年4月号掲載)の御神木「三本杉」をはじめとする巨木や、国内4 位の全長を誇る洞窟「河内の風穴(かわちのかざあな)」が、町中には多賀町産木材で建てた中央公民館「多賀結いの森」などがあります。長い歴史がある町なので、ぜひ歴史にも触れてみてほしいです。

 

 

 

■ PROFILE

 

平塚 一弘(ひらつか かずひろ)さん

株式会社ひらつか建築 代表取締役社長

 

和風建築の大工として木材を熟知し、気候風土に合った家づくりを得意とする。

その経験を活かし、木造定温倉庫「木冷蔵-COREZO-」、木製組立式テント「カテット」、メイド・イン・タガの家具「KOTONEシリーズ」などを生み出す。

座右の銘は「継続は力なり」。

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撮影・山崎 純敬 / SHIGAgrapher

ライター・大山 真季