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2021.01.18

「素材にこだわり、本当のおいしさを届けたい」

和菓子職人 大菅良治さんが大切にしたいこと

 

彦根城に近い中央商店街の一角にある和菓子店「菓心おおすが」。

その三代目の大菅良治さんは、洋菓子・本・雑貨のお店「& Anne(アンド アン)」や、

毎月開かれる二組限定のお茶会「小庵 an・note(しょうあん アン・ノート)」の仕掛け人でもあります。

新たな挑戦に取り組み続ける大菅さんに、その思いを伺いました。

 

―「菓心おおすが」で和菓子を手掛ける大菅さんですが、「& Anne(アンド アン)」には洋菓子が並んでいますね。

 

いわゆる「和洋菓子店」と呼ばれる店がありますが、私たちはそれを別々の店でしているということです。和菓子と洋菓子は全く違うもののようでいて、実は共通点も多いのです。特に、「& Anne」で扱っているのはヨーロッパの伝統的な焼き菓子。長年受け継がれてきたお菓子を作るという点で、和菓子にも通ずるところがあります。また、二つの店に共通するのは、店の見た目もお菓子の材料もシンプルなこと。お客様に本当に伝えたいことは、こちらが主張せずとも、店の在り方そのものが自然と働きかけてくれると思っているからです。

 

 

先代考案の看板商品「三十五万石」に因んで生まれた「35(さんじゅうご)」

 

―お客様に本当に伝えたいこと、それは何でしょうか。

 

「厳選された素材を使い、そのおいしさを伝えること」これが私たちの原点であり、伝えたいことです。そのために、知名度に関わらず自分が納得のいく素材だけを使っています。米・小麦粉・卵・黒豆は滋賀県産、県内での調達が難しい場合は、国産の栗や、オーガニッククルミ、といった具合です。そうして作られたお菓子を、目の行き届くところで提供すること、それが私のこだわりです。

 

 

洗練された温もりが感じられる「菓心おおすが」

 

―新たな試み「小庵 an・note(しょうあん アン・ノート)」も始まりました。どのような背景があったのでしょうか。

 

「小庵 an・note」は月一回のペースで開かれる二組限定のお茶会です。二十四節気に因んだ創作菓子とお茶でお客様をおもてなししています。和菓子職人として24年になりますが、お茶と和菓子の関係性を探究したいという長年の思いがあり、自分を奮い立たせてもう一度勉強しようと始めました。季節感を大切にする和菓子の世界で、本当においしい旬の素材を、作りたての状態で召し上がっていただきたいです。茶の湯の世界と同じように、引き算することで見えてきた大切なことや、私たちならではの「一期一会」を、お客様にも味わっていただければ嬉しいです。

 

 

ショーウィンドウには季節の上生菓子も並ぶ。

 

―2021年の抱負をお聞かせください。

 

2020年はコロナ禍の影響で、オンラインストアで購入してくださるお客様が増えました。オンラインで出来ることは限られていますが、2021年は、そうしたお客様のご期待にも添えるようにしていきたいです。その一方で、やはり嬉しいのは、向こう三軒両隣の方が買いに来てくださることです。おいしいからこそ、近いところから徐々に広がっていく。そうした気持ちを大切に、今後も続けていきたいと思います。

 

 

■ PROFILE

大菅 良治(おおすが りょうじ)さん

株式会社大菅製菓 代表取締役

1967年生まれ。30歳のとき結婚を機に和菓子の世界へ。作り手として本当のおいしさを届けるために、先代の時代に増えた店舗をあえて減らした。商店街の活性化のため2013年「& Anne」を開店、和菓子・洋菓子の枠を超えて取り組み続ける。

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撮影・山崎 純敬 / SHIGAgrapher

ライター・大山 真季 / ノギラボ