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KATSUMI YOSHIZAWA

滋賀県情報

2021.08.27

琵琶湖を支える清流、愛知川で育む薬草
オーガニックハーブティーという楽しみ方 

 

鈴鹿山系を間近に抱く山里、永源寺に、クワをはじめ

珍しい品種の薬草栽培に取り組む農業生産法人「永源寺マルベリー」があります。

ここで生まれるハーブティーは、オーガニック・ノンカフェイン。

身体にやさしい飲み物として、今注目を集めています。

地域の特性を大切にした農業を進める代表の吉澤克美さんを訪ねました。

 

 

―この地での薬草栽培のきっかけは?


官民連携での特産品開発として、誰も手がけていない農産物に取り組もうと、住民有志6人でクワの栽培を始めました。茶どころとして知られる永源寺ですが、高齢過疎化が進み、茶畑も含めて耕作放棄地の増加が課題となっていました。そうした放棄地の開墾から始めていったんです。
農業初心者の無謀ともいえる挑戦。地元の人から「いつまで続くんや」とからかわれながらも、少しずつ栽培面積を増やしていきました。

 

 

 

 

―クワをどのようにお茶にしているのでしょう。味も気になります。


若葉を乾燥・粉砕し製品にしていて、ほぼ自社で行っています。クワは、ビタミンやミネラルが豊富。また血糖値の安定に効果があるとされ、糖尿病の予防にもつながります。クセがなくやさしい味わいで、私自身ずっと飲み続けているせいか、健康そのもの。お通じもいい。ティーパックや粉茶タイプの製品もあるので、手軽に飲んでいただけますよ。

 

 

 

―ほかにも珍しい薬草を栽培されているのだとか


栄養価が非常に高く現在世界中で注目されているモリンガ、“不老長寿の妙薬”とも言われるアシタバやヨモギなど、すべて有機JAS認証作物として完全無農薬無化学肥料で栽培し、葉は一枚一枚手摘みしています。手間がかかって決して効率的ではありませんが、これが私たちのやり方。永源寺は、琵琶湖へ注ぎ込む愛知川の上流域に位置します。汚れた水を下流に流さないよう、そして放棄地を少しでも解消することで、美しい里山景観を維持したいです。

 

 

―従事者の最高齢が90歳だそうですね。


設立時からの欠かせない存在です。約20人の作業スタッフは70〜80代が中心。みなさんお元気で「身体を動かせてちょうど良い」とおっしゃってくださいます。また、障害がある方々にも除草などを担っていただいています。地域の人と共に歩んでいくことで、結果的に地域が元気になればなによりです。
趣味はクワと言えるほど農園のことに心血を注いできた私も、80歳。さすがに疲れることもありますが、休憩時間のみんなでおしゃべり、暑い日のアイスキャンデーがリフレッシュの秘訣です。

 

―薬草の葉っぱがデザインされたパッケージ、シンプルですっきりしていますね。


30〜40代の男女スタッフ2人が、うちの「若手精鋭」。このパッケージをはじめ、商品開発や企画、ウェブサイト運営などを担当してくれています。彼らの世代こそ健康がなにより大事。「自分たちが愛飲したくなるような」発想や視点を打ち出してもらっています。高齢スタッフともとても仲が良く、農園を大事にしてくれています。風土と人に恵まれて生まれるハーブティーなのです。

 

■ PROFILE

 

吉澤 克美(よしざわ かつみ)さん

永源寺マルベリー代表

建設業を営む傍ら、平成16年に農業生産法人永源寺マルベリーを設立。自社の重機を使って耕作放棄地を開墾。現在は10haで6種を栽培し、オーガニック薬草園としては近畿最大級。
永源寺ダムに沈んだクワを接ぎ木したものもあり、かつて養蚕が盛んだった一帯の歴史をも刻む。

 

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撮影・山崎 純敬 / SHIGAgrapher

執筆・矢島 絢子