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滋賀県情報

2021.07.20

”朝一のおかあさん”

小川酒店 布施明美さんが知る浜大津

 

ガタン、ゴトン―。路面電車が風景に溶け込む浜大津。

そんなまちの中心、路面電車の終点でもある京阪電鉄びわ湖浜大津駅前では、

毎月第三日曜日に「浜大津こだわり朝市」が開かれます。朝市に出店すること18 年間の

小川酒店の布施明美さんに、朝市や浜大津の魅力を伺いました。

 

―浜大津こだわり朝市はどんな朝市でしょうか。


滋賀県内の各地から、こだわりの地域資源が集まるアットホームな朝市です。例えば、目の前で揚げられる琵琶湖のワカサギの天ぷら・鮒寿し・鯉の煮付け・いさざ豆などの郷土料理や、新鮮な卵や野菜などの農産物、スイーツ・ドリンクなど、たくさんの方が出店されます。不定期でジャズ・フラダンス・手品・バルーンアートなどのイベントもあり、地元の方もそうでない方も楽しみにしてくださっているようです。出店者同士の物々交換もひそかな楽しみですね。

 

 

朝市が開かれる、びわ湖浜大津駅前スカイクロス。

 

―布施さんは、朝市のおかあさん的存在と伺っております。


そうだとすれば、相当どんくさい“おかん”だと思います(笑)。朝市の運営委員会に入っている唯一の出店者で、生まれも育ちも浜大津というのが、その理由かも知れません。また、長年続けていると様々な事情で出店できなくなる方がいらっしゃるので、これはと思う人をスカウトすることもあります。先日は、つきたての栃餅が人気だった生産者グループの方が高齢で辞められたので、新しいことにチャレンジする若い人の背中を押しました。自家製ウィンナーのホットドックや素敵な骨董が好評で、それまで朝市をご存知なかった方の来場のきっかけにもなったようで嬉しかったです。

 

浜大中心部の様子。写真の奥には小川酒店が。

 

―布施さんご自身は近江の地酒を販売されているのですね。


はい、地酒を愛してやまない仲間たちと出店を続けてきました。毎回、蔵元とっておきのレアなお酒が並ぶので、常連さんが楽しみにしてくれています。常連さんは本当に日本酒が好きで勉強熱心な方が多いので、私も勉強になりますし有難いです。その一方で、もっともっと、特に若い方にも地酒のことを知ってもらいたいので、フルーティーな飲みやすいお酒も用意しています。最近はお酒にあう肴のペアリングも提案していて、私自身も新発見がありとても楽しんでいます。小川酒店の実店舗では試飲していませんが、朝市では試飲もできますし、180mlからの量り売りもしているので、初めての方もぜひ気軽に立ち寄ってください。目の前でお客様の反応を見ることができる貴重な機会とあって、立ち会ってくださる蔵元も多く、お客様との交流も生まれています。

 

すぐ近くの大津港にはクルーズ船も浮かぶ。

―これから朝市がどのようになれば良いと思いますか?


日本酒に関して言えば、私たちが変わらずとも、蔵元は新しいお酒を出したり世代交代をしたりと変わっていきます。そのため、新しさを求めて変えていくことは魅力的ですが、坦々と続けることも大切なのではないかと思います。それは、長年出店を続けておられる他の出店者さんもきっと同じで、朝市全体にも言えることでだと思います。

 

―なるほど。朝市が変わらずそこにあることの大切さを感じます。最後に、布施さんが感じる浜大津の魅力を教えてください。


浜大津は、懐が深いまちです。このまちに生まれ、このまちが大好きな人がたくさんいて、そうした方たちのおかげで朝市は成り立っています。また、大津港や、路面電車が走るまち並み、味のある旧街道、芸能の神様で知られる蝉丸が祀られる関蝉丸神社など、浜大津には琵琶湖とまちと人と歴史が重なる良いところがいっぱいです。ぜひ、まち歩きを楽しんでみてくださいね。

 

 

■ PROFILE

 

布施 明美(ふせ あけみ)さん

小川酒店

小川酒店長女として浜大津に生まれ育つ。好きな陶芸の知識を生かし、全国を渡り歩いて陶器を集めたことも。伝統・技術・水・土・作り手といった地酒と陶器の共通点に気づき日本酒にのめり込む。地酒と日々向き合い蔵元からの信頼も厚い。

 

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撮影・山崎 純敬 / SHIGAgrapher

ライター・大山 真季 / ノギラボ