2022年9月14日(水)公開
JR長浜駅から徒歩5分。長浜市の観光スポット「黒壁スクエア」などがある市街地の一角に湖のスコーレはあります。約400坪の敷地に、生活雑貨を販売するストア、ワークショップルーム、アート作品を展示するギャラリーのほか、喫茶室や図書印刷室なども備えた体験型の商業文化施設です。
「スコーレ(scholē)」とは「school」の語源となったギリシア語。“作る人、買う人、売る人のそれぞれに学びのきっかけがあるように”との思いで名付けられており、その学びのひとつとして、「滋賀の発酵文化、発酵食」が提供されています。
「滋賀で昔から脈々と受け継がれている発酵を、湖のスコーレの大切な要素として取り入れました」。(高本さん)
湖のスコーレのフロア内には、滋賀県で作られた生活道具や食品のほか、オリジナル商品などが並ぶストアを中心に、どぶろくの醸造室、チーズ製造室、チーズや味噌などを中心に滋賀県内の食材を使った料理が楽しめる喫茶室、発酵食材を使ったテイクアウトメニューを提供する発酵スタンドがそろいます。
醸造室やチーズ熟成庫は、大きなガラス窓で中が見えるつくり。チーズの熟成庫の中をのぞいてみると、円形の大きなチーズがずらり。室温12~13度、湿度80%に保たれていて、約4か月熟成させて、ようやく完成するのだそう。
チーズ熟成庫の隣には、どぶろくの醸造室が。職人が在室されている時であれば、どぶろくや味噌ができる過程や発酵にまつわる様々な話を教えてもらうこともできます。
「湖のスコーレでは発酵製品の製造現場を間近に見て、学ぶことができるのも特徴です」。(高本さん)
発酵食品の製造現場を備える湖のスコーレ。ここで作られた製品を生かして、オリジナル商品の開発にも力を入れています。
「琵琶湖には、沖島という人が暮らす島があり、そこで昔から作られている白味噌をオマージュして、池島さんが特製の『昔の白味噌』という商品を開発してくださいました」。(高本さん)
施設内で仕込んだ白味噌と、チーズを組み合わせた「みそフロマージュ」は、日本酒にもワインにも合う優しい味わいのチーズです。“発酵食=日本の味”のイメージとは異なり、これまで滋賀の発酵食に馴染みがなかった方にも食べてもらいやすいものに仕上げているのだとか。
「昔ながらのものをそのまま再現するのではなく、自分たちの手で作り直して、新しい商品としてお届けするのも、私たちのこだわりです」。(高本さん)
商品のパッケージやストアでの見せ方にもこだわり、県外のデザイナーらが湖のスコーレのプロデュースをサポート。発酵食の文化を守りながら、今の時代にあった形で提供することも湖のスコーレでは大切にされています。
湖のスコーレには喫茶室があり、施設内で作られているチーズや味噌、麹などを使ったカレーやドリアのほか、スイーツメニューを楽しむことができます。
「発酵を味わうことも、スコーレがコンセプトとする“学び”であると思っています」。(高本さん)
発酵を一から学びたい人向けには、ワークショップも開催されています。チーズ作りやチーズを使った料理教室など、毎月趣向を凝らしたプログラムが人気です。自分で作って食べることで興味を持ち、より深く発酵のことを学ぶきっかけにもなっています。
「お客様がスコーレで学んだことを、家で実践してくださって、また誰かに教えてくださる。そうした学び合いをこの場所から広げていきたいと考えています」。(高本さん)
麹を買って料理に使う人、完成された商品を買って家で食べる人、喫茶室で味わう人、ワークショップで学ぶ人。湖のスコーレは、一人ひとりの興味にあわせて、どこからでも滋賀の発酵の世界に入ることができる新スポットです。
■住所 滋賀県長浜市元浜町 13-29
■電話 0749-53-3401
■営業時間 11:00~18:00(喫茶室は11:00~17:00)
■定休日 火曜(12月~2月は水曜も休み)