日本一の湖がある県と言えば、滋賀県。では、琵琶湖以外に滋賀の魅力をいくつご存知ですか? 今は知らない土地の情報を簡単に調べることはできますが、実際に訪れてみないと分からないこともたくさんあります。ということで、今月からメトロミニッツは、滋賀県の美味しいものをさがす旅に出たいと思います。まずは、日本三大和牛の1つ「近江牛」の飼育される現場へ。

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近江牛

恵まれた環境で育つ

近江牛の肉質や風味を高める要素の1つに、飼育環境がある。近江牛は、日本最大の湖・琵琶湖を囲む山々を源流とする清流の水を飲み、豊富な稲わらをはじめとした飼料と共に、豊かな自然環境の下で健やかに育てられている。

▲ 日野町

日本食肉文化の原点

1. ブランド牛として最も古い歴史を持つ
江戸時代は家畜の殺生が禁じられていたが、彦根藩だけは陣太鼓に使う牛皮を幕府に献上するために、特例として牛のと畜が認められていたので、肉を食べる文化があった。史実によれば1687年、牛肉を味噌漬けに加工した養生薬「反本丸(へんぽんがん)」が開発され、将軍家にも献上していた。

▲ 彦根城博物館蔵

2. 近江牛の牛鍋(後のすき焼き)
竜王町出身の家畜商・竹中久次は、1883年に東京・浅草で、牛鍋(後のすき焼き)店を開き、近江牛の普及に貢献したことから、竜王町は近江牛ゆかりの地とされる。

近江大中肉牛研究会ウシラボ

近江八幡市、東近江市の大中地区にある肉用牛飼養農家の後継者が集まり2012年設立。近江牛の肥育技術の向上に取り組む一方、全国のイベントへの参加、ネットでの情報発信も活発に行う。

約400年の歴史がある滋賀の至宝「近江牛」の未来を考える、若き2代目

琵琶湖の東側に位置し、近江商人のふるさとと言われる近江八幡市。
県内で唯一のと畜場があり、近江牛の飼育も盛んに行われています。この旅で最初にここを訪れた理由は、近江牛の農家の若き後継者13名が設立した「近江大中肉牛研究会ウシラボ」の会長である橋場芳秀さん(34)に会うため。「近江牛ブランドは今大きな岐路にあると思います。もっと海外の知名度を上げなければいけないし、親の世代が積み上げてきたものをリスペクトした上で、前時代的な価値観や体制を変える必要もあります。家業を継いで、そんな危機感を抱いていたときに、同じ世代の仲間同士で意気投合して、ウシラボを結成しました。」と橋場さん。設立当初から定期的にディスカッションを行うなど議論を重ね、現在は年末に自分たちで発表会を開き、牛の飼育過程を追跡したり、知識を共有し合っています。
「今、滋賀県内の肉屋や酒蔵も若い世代に代替わりしているので、一緒に近江牛ならではの新しい食べ方を考えたり、面白いことがしたいと思っています。他にも行政や、いろんな人を巻き込んで、近江牛の魅力を発信していきたいですね」

近江大中肉牛研究会ウシラボ

近江八幡市、東近江市の大中地区にある肉用牛飼養農家の後継者が集まり2012年設立。近江牛の肥育技術の向上に取り組む一方、全国のイベントへの参加、ネットでの情報発信も活発に行う。