2024年1月26日（金）公開
滋賀県第二の高峰・金糞岳（かなくそだけ・きんぷんだけ）に水源を持つ草野川流域にある高山村（現・長浜市高山町）で盆梅は誕生しました。生みの親は村に住む高山七蔵（たかやま・しちぞう）。大正時代初めのことです。
雪深い村で、若い頃から養蚕業を営んでいた七蔵は村随一の農家。趣味も多彩で、大きな梅を鉢植えにして愛でる独創的な試みを行っていました。山や谷で見つけた梅の古木を持ち帰り、丹精込めて育成。開花の時期には、数十鉢の盆梅を自宅前に並べ、人々を楽しませたと伝えられています。
昭和26年（1951年）、66歳になった七蔵は長年にわたって育てたすべての盆梅を長浜市に寄付。その翌年から明治時代に建てられた慶雲館（けいうんかん）において盆梅展が催されるようになりました。七蔵は、盆梅を寄付した後も育成指導を頻繁に行いました。
盆梅は約300鉢、地に植えている木を含めると2000本近くになり、盆梅専門員が1年を通じて管理しています。
展示終了後、盆梅は竹やロープで厳重に補強されて会場から運び出されます。重さが800㎏を超える盆梅は15人がかりで行うこともある大仕事です。搬出された盆梅は、長浜市内に4ヶ所ある管理圃場に運ばれます。
盆梅は基本的に鉢で管理されており、3年に1回の頻度で初春に植え替えます。地植えの木も3～5年に1回の頻度で移植を行い、根を縮めて鉢植えの準備を行います。また、百年先を見据えて、2～3年の若木も管理しています。風情のある古木や巨木を探し求めて東奔西走することも専門員の仕事のひとつです。
剪定、肥料やり、消毒、夏の日差しから守るためのネット掛け、芽摘み、水やりなど、日々の手入れは欠かせません。落葉後は形を整える整姿作業がスタート。不要な枝を切り、形を整えて展示に備えます。
天に昇る竜を連想させる形から命名されました。長浜盆梅展が始まって以来、展示している品種で、花の種類は一重白梅。樹齢は約250年と伝えられています。高さ195㎝・直径20㎝。
荘厳な姿が不老長寿を感じさせるところから命名された、最古に分類される盆梅のひとつ。花の種類は八重紅梅。樹齢は約400年と伝えられています。高さ240㎝・直径60㎝。
数多くある盆梅の中でも、「光ある美しい梅として、一際多くの方の目に留まること」を願って命名された、一重咲き薄桃色。樹齢は約150年と伝えられています。高さ約180cm・直径35cm。
勇壮な幹と紅梅の花が赤富士を連想させることから命名されました。最も重い八重紅梅の盆梅です。樹齢は約350年と伝えられています。高さ245㎝・直径60㎝。
長浜を代表する盆梅であることから、高山七蔵翁に因んで命名。最古に分類される盆梅のひとつで、花の種類は八重紅色。樹齢は約400年と伝えられています。高さ240㎝・直径40㎝。
1月27日(土)から２月25日(日)までの土日祝に行われるライトアップに加え、今年は平日のみの夜間特別公開「雲海」が実施されます。期間は、1月12日（金）から2月9日（金）までの火・木・金曜日。料金は2,000円（税・入館料込み、17:30～と19:00～の入れ替え制）。
切り絵作家・早川鉄兵氏の切り絵と盆梅のコラボレーション展示を開催。今年のテーマは、干支でもある「龍」。躍動感あふれる展示が楽しめます。
■期間：令和6年3月10日（日）まで。 期間中無休
■会場：慶雲館（滋賀県長浜市港町2-5）
■時間：9：00～17：00（入館は16：30まで） ※夜間ライトアップ期間の入館は20：00まで
■料金：大人800円、小・中学生400円
■交通：JR長浜駅から徒歩3分
■問合せ：長浜観光協会（℡0749-53-2650 受付時間／平日 9：00～17：00）
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