湖国に本格的な春を告げる風物詩 第2弾

2023年3月20日(月)公開

豊作を祈願する春の祭

伝統を守って華やかに

 

春の滋賀県内では五穀豊穣や疫病退散を祈願する祭礼が数多く開催されます。令和5年(2023年)、特に話題を呼んでいるのが長浜曳山(ひきやま)祭。長浜開町450周年を迎えるため、全13基の曳山が勢揃いします。晴れる日が多くなるこの頃はお出かけする絶好のタイミング。春の滋賀旅の参考にぜひ。

 

●今回紹介するスポット

 

今年は13基の曳山が勢揃い

①長浜曳山祭(長浜市)

 

 

 

長浜城主になった秀吉公が再興した長濵八幡宮で、毎年4月9日から17日にかけて開催される祭礼。多くの人が楽しみにする神事のひとつが曳山巡行です。祭に用いられる長浜の曳山は江戸時代から伝わる工芸技術を結集した飾金具や絵画で彩られていて、”動く美術館”とも呼ばれています。この曳山の上で演じられる子ども歌舞伎も長浜曳山祭の醍醐味。子どもたちの名演技が人々を魅了します。平成28年(2016年)には、日本各地の山・鉾・屋台行事とともにユネスコ無形文化遺産に登録されました。令和5年(2023年)は、秀吉公が長浜の町を開いて450年になる節目の年。毎年出場する長刀山と3年に1度出場する12基を合わせた全13基が並ぶ曳山揃いが行われます。

 

■開催地 滋賀県長浜市宮前町13-55 長濵八幡宮および市街地全域
■問合せ 長浜市曳山博物館 0749-65-3300
■開催日 2023年4月9日(日)~17日(月)
■ホームページはこちら

 

 

1200年以上前から続く勇壮な祭

②山王祭(大津市)

 

4/12午の神事

4/14神輿神幸

長浜曳山祭、大津祭と並ぶ湖国三大祭のひとつ・山王祭。全国に3800余りある日吉・日枝・山王神社の総本宮である日吉大社の例祭です。西本宮に祀られる大己貴神(おおなむちのかみ)と東本宮に祀られる大山咋神(おおやまくいのかみ)のご鎮座の由来をたどりながら、天下泰平・五穀豊穣を祈願します。主な神事は、4月12日の夕刻から始まる大山咋神と鴨玉依姫神(かもたまよりひめのかみ)の結婚を再現する午の神事(うまのしんじ)、13日午後から催される花渡り式など。とりわけ盛り上がりを見せるのが13日の夜に行われる宵宮(よみや)落としです。4基の神輿が勢いよく揺さぶられる様子は圧巻。夜の境内に響く、担ぎ手らの勇ましいかけ声が祭の情緒を盛り上げます。14日午後からは、7基の神輿が町内を巡り、琵琶湖上へ。3日間に渡り、歴史絵巻さながらの華やかな神事が繰り広げられます。

 

■開催地 滋賀県大津市坂本5-1-1 日吉大社ほか
■問合せ 日吉大社 077-578-0009
■開催期間 2023年4月12日(水)~14日(金)
■ホームページはこちら

 

 

日野川流域に伝わる素朴な祭

③南山王祭(日野町)

 

 

江戸時代のはじめに名主が村の安泰を願って建立したと伝わる日枝神社(通称・南山王さん)の春祭。普段は静かな社が毎年4月4日は大勢の氏子(うじこ)で賑わいます。奉納されるのは、長さ5〜6メートルの“ホイノボリ”。竹を細く割って作る“ホイ”と呼ばれる竹ひごに、ピンク色に染めた紙の花を飾る日野地域特有ののぼりで、五穀豊穣を祈願して大地に立てます。神社前の広場に二十数本が並ぶ様子はまるで花が咲いたよう。その下で人々は酒を酌み交わしたり弁当を広げたり、思い思いの時を過ごします。本来は氏子の祭ですが、来訪者も楽しい時間が過ごせます。

 

■開催地 滋賀県蒲生郡日野町大窪1323 日枝神社
■問合せ 日野観光協会 0748-52-6577 
■開催期間 2023年4月4日(火)
■ホームページはこちら

 

 

お囃子(はやし)にも特徴がある例大祭

④水口(みなくち)曳山まつり(甲賀市)

 

 

水口まつりは、平安時代の法典・延喜式(えんぎしき)に名が残されている古社・水口神社の例大祭。県の無形民俗文化財に指定されています。享保20年(1735年)に初めて曳山が出て以来、連綿と受け継がれ、近年では“水口曳山まつり”の名で親しまれています。地元では“ヤマ”と呼ばれる曳山は16基あり、県内最多を誇ります。4月19日の宵宮祭(よいみやまつり)では曳山に提灯を飾り付け、水口ばやしを奏でます。20日は、屋台の上に毎年趣向を変えて出来栄えを競うダシを飾り付けて参道を進みます。その巡行時に演奏される水口ばやしはアップテンポでリズミカル。各町内が大切に受け継いでいます。

 

■開催地 滋賀県甲賀市水口町宮の前3-14 
■問合せ 水口神社 0748-62-0231
■開催日 2023年4月19日(水)~20日(木)
■ホームページはこちら

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