400年の時を刻み、高島に受け継がれる巻筆

2026年3月5日(木)公開

 

 

 

 

 

 

 

 

 

筆の根元を和紙で巻いて作る、伝統的な筆。国内で唯一の巻筆を製作する工房が高島市にあります。

そんな創業400年を超える筆工房 攀桂堂(はんけいどう)の16代目藤野純一さんに巻筆についてお話を伺いました。

 

 

 

 

 

 

攀桂堂の巻筆づくりの始まり

 

 

巻筆とは、筆の芯となる毛の根元を和紙で巻き、さらにその上から別の毛(=上毛)を重ねて作られる筆のこと。巻筆の起源は中国にあり、日本に伝わったのは奈良時代とされています。その後、平安時代には仮名や調和体を書くのに合うよう改良され、江戸時代末期までは主流の筆として用いられてきました。

 

攀桂堂は、1615年に彦根出身の初代が京都で創業したのが始まり。その後、一度東京へ移転しましたが、関東大震災を機に13代目の妻の故郷である高島市に拠点を移しました。

 

 

創業400年を超える筆工房の16代目 攀桂堂 筆師 藤野 純一さん

 

 

 

 

 

 

 

最も大事な工程は、『練り混ぜ』。

 

 

巻筆作りは、今も昔も全てが手作業です。「最も大事な工程は、芯となる様々な毛を混ぜては、擦れ毛などの不要な毛を取って芯を作っていく『練り混ぜ』。ここを雑にしてしまうと、書き味が滑らかにならず、字も乱れてしまうので、特に神経を使います」と、藤野さんは話します。

 

原料にもこだわっており、羊毛や馬毛など6種類以上の毛を使用。たとえば、馬毛の中でも弾力のある尻尾の毛は太筆に、柔らかい胴毛は上毛にと、筆の部位や用途に合わせて使い分けています。また、巻筆の特徴でもある和紙も厳選し、丈夫なことで知られる富山の五箇山和紙を使用しています。

 

 

 

 

原料となる毛

 

 


1本の筆が完成するまでには、仮名用や写経用の紙巻筆(かみまきふで)であれば4〜5日、漢字用(楷・行・草書用)の籐巻筆(とうまきふで)であれば1週間を要します。巻筆は、根元が和紙で固定されているため、一般的な筆よりも腰が強く、力強い線を書けるのが特徴です。「巻筆じゃないと書けない」と、長年愛用している方も少なくありません。

 

さらに、2024年の大河ドラマ『光る君へ』では、タイトルの題字が攀桂堂の巻筆で書かれ、劇中のシーンでも同工房の巻筆が使われました。それをきっかけに書を始めた方も多いとか。

 

 

 

 

 

 

「もともと家業を継ぐ気はありませんでしたが、自分が継がなければ、そこで巻筆が途絶えてしまう。愛用してくださっているお客様のためにも作り続けていきたいですし、巻筆を製作している唯一の工房として、その価値を伝えていきたい」と、藤野さん。巻筆は、店頭で実物を手に取って見ることができるほか、オンラインショップでも購入できます。

 

 

 

 

 

 

攀桂堂

■住所 滋賀県高島市安曇川町上小川90-6

■問合せ 0740-32-0236

■ホームページはこちら

■オンラインショップはこちら

 

 

 

 

「第37回 琵琶湖夢街道 大近江展」で、巻筆の製作実演や展示販売を実施します。

会期:2026年3月11日(水)~3月16日(月)10:30〜19:30(16日は18時まで)

会場:東京日本橋髙島屋 S.C.本館8階催会場 (一部7階)

■イベントの詳細はこちら

 

 

 

 

 

 

 

 

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