2025年6月25日(水)公開
モリヤマメロンは、滋賀の初夏の風物詩にもなっている名産品。
生産量が限られているので、県外で見かけることは珍しい貴重なフルーツ。
30年近くにわたってメロンを生産するベテランの前田仁司さん(JAレーク滋賀モリヤマメロン部会 会長)にお話をお伺いました。
守山市の特性を活かしてメロンの栽培を開始
守山市は砂地が多いことからメロン栽培に適しているのではと、1977年に6軒の農家が栽培を開始。80年にはメロン部会が結成され、現在は21軒の農家が年間約9万個弱のモリヤマメロンを生産しています。
栽培されているメロンは、表面にできる立体的な網目模様と甘い香りが特徴のアールスメロンと、条溝(※果皮に見られる縦方向の溝のこと)がある緑色の果皮が目印のアムスメロンの2種。モリヤマメロン部会で栽培されているメロンの9割を占めるのがアムスメロンであるため、モリヤマメロンと言えばアムスメロンを指すことが一般的です。
6月初旬に出荷が始まるアムスメロンは、果肉はやわらかく果汁たっぷり。皮の際でも十分な甘さがあるため、可食部が多いのもポイントです。 なめらかな口あたりとメロン特有の芳醇な香りが楽しめます。
子どもを育てるように大切に育てる
初春に行う定植から、収穫できるようになるまで約3ヶ月。つる割れ病と呼ばれる病気に罹らないよう台木に接ぐ作業、ほ場への定植、生育に併わせて不要なわき芽やひげツルを調整しながら取り除く“芽かき”など、一日も休むことなく作業が続けられます。実を大きく、そして甘く育てるため、実の大きさが鶏卵大になる前には摘果。アムスメロンは1株につき2玉、アールスメロンは1株1玉だけを着果させます。
もっとも気が抜けないのは収穫前の1カ月間。モリヤマメロンの基準である糖度13.5以上にするため、土壌内の水分を厳しく制限し、果肉が甘くなるように天候をにらみながらハウス内の環境を調整します。収穫のタイミングは「毎日見ているとわかる」と前田さん。子どもを育てるように大切に育てています。
「食べる1時間ほど前に冷蔵庫に入れて冷やしておくのがモリヤマメロンの美味しい食べ方」と前田さん。
甘み濃厚なモリヤマメロンは、例年予約販売が6割を占める人気特産品。予約販売分以外は、JAレーク滋賀の直売所「おうみんち守山店」で販売されますが、事前のweb予約が必須の人気商品。守山市のふるさと納税返礼品にも登録されています。
ここ滋賀1階のマーケットでは、モリヤマメロンの果汁20%を使用した「モリヤマメロンスイート」を販売中。爽やかなメロンの甘みがぎゅっと詰まったジュースもぜひお試しください。
JAレーク滋賀 モリヤマメロン部会
■住所 滋賀県守山市洲本町1769-1
■問合せ 077-585-6200(メロン専用)/077-585-4385(代表)
■営業時間 9:00~17:00
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