2025年3月7日(金)公開
琵琶湖の北に位置する場所にある「余呉湖」。周囲には豊かな自然が広がり、四季を彩る美しい風景が眺められるスポットとして多くの人を魅了しています。また、湖にまつわる伝説もあり、歴史ファンにも見どころが多い場所です。他にもフィッシングやサイクリングなどアウトドアアクティビティも充実。今回は、冬から春にかけて、景色も遊びも存分に楽しめる余呉湖をご紹介します。
メイン画像:(公社)びわこビジターズビューロー
俳人に愛される美しい湖
湖北八景に選ばれた神秘の湖「余呉湖」の全景
滋賀県北部・長浜市の琵琶湖国定公園内に位置する余呉湖は、周囲7kmの小さな湖。平成29年(2017年)には、湖北を魅了する景観として「湖北八景(こほくはっけい)」に選定されています。波が穏やかな余呉湖の湖面は、まるで鏡のようと例えられることも。周囲の美しい風景が写り込むその様子から別名「鏡湖(きょうこ)」と呼ばれています。
周辺には俳人「山口誓子(やまぐち・せいし)」や「斎部路通(いんべ・ろつう)」の句碑があり、俳諧を嗜む名所としてもファンの間で人気の場所。今も昔も、多くの人が湖の美しさに惹かれ、この地で歌を詠んでいます。
恋の逸話と悲しい愛の物語
2つの伝説が生まれた場所
天女像
JR余呉駅から徒歩5分、余呉湖の岸には「天女像」と呼ばれる美しい銅像があります。この像の元となったお話が「天女の羽衣伝説」です。
8羽の白鳥が余呉湖畔に降り立ち、近くの柳の木に羽衣をかけ、天女の姿となって水浴びをしていたとか。その様子を見ていた伊香刀美(いか・とみ)がそのうちの一人に恋心を抱き、犬に羽衣を盗ませました。羽衣を失い帰れなくなった天女は伊香刀美と結ばれ、2男2女をもうけ、その子孫たちがこの地域の人々の祖先となったという逸話が残っています。
そして、もう一つ。「龍神・菊石姫(きくいしひめ)伝説」は、悲しくも慈悲に満ちた物語です。
仁明天皇(にんみょうてんのう)の時代、この地の領主であった桐畑太夫(きりはた・だゆう)の娘・菊石姫は、干ばつに苦しむ村人を救うため、余呉湖に身を投げ、蛇となって雨を降らせました。人間に戻れなくなってしまった菊石姫は、長年世話になった乳母のため、目玉を抜き取って疫病の薬としたとか。余呉湖の西側にある「蛇の目玉石」は、湖から目玉を投げた折、石に当たり、目玉の痕が残ったものと伝わります。
初心者でもOK
冬に人気の「ワカサギ釣り」は3月末まで!
冬のワカサギ釣りの様子(公社)びわこビジターズビューロー
フィッシングスポットとしても有名な余呉湖。11月から3月末頃は「ワカサギ釣り」を体験することができます(後述情報参照)。釣り具販売も行っているため、観光途中に手ぶらで立ち寄ってみることも。初心者の方でも簡単に挑戦できます。「湖の散策ついでに釣りをしてみようかな」、そんな楽しみ方もOK。
春からはサイクリングやバードウォッチングも
春の余呉湖の様子。桜と菜の花が湖を彩ります
春からのシーズンは、レンタサイクル&散策でめぐるのもおすすめ。余呉湖導水路沿いには、桜や菜の花が咲き、春色の景色を楽しめます。湖畔を散策すればソメイヨシノやオオシマザクラ、八重桜などが。1周7kmと小さな湖のため、ゆっくりめぐってみてはいかがでしょうか。
また、鳥の観察スポットとしても知られる余呉湖は、四季を通して、オオバン、カンムリカイツブリなど、さまざまな野鳥に出合えます。美しい湖に集う野鳥の姿を楽しんでください。
見るも、動くも多彩な遊び方ができる余呉湖観光。滋賀へ旅行の際は、少し足を延ばして、訪ねてみてください。
余呉湖
■住所 滋賀県長浜市余呉町
■アクセス JR北陸本線 余呉駅 下車 徒歩 5分
北陸自動車道木之本ICから車で10分 、駐車場あり(要問合せ)
■問合せ 0749-53-2650(長浜観光協会)
ワカサギ釣り
■期間 3月下旬まで(予定)8:00~17:00
■場所 長浜市余呉町川並2380-1
■アクセス JR北陸本線 余呉駅 下車 徒歩 10分
■料金 高校生以上1,600円、小・中学生800円
※現在は川並浅橋のみの営業
※見学入場は出来ません。当日券のみ(前売券なし)。詳細はHPで確認を
■問合せ 余呉湖漁業協同組合(ビジターセンター内) 0749-86-3033
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