2024年07月08日(月)公開
古くから信仰を集める島である竹生島の全景。/(公社)びわこビジターズビューロー
日本遺産「水と祈りの文化」に認定された竹生島。古来より、浅井姫命(あざいひめのみこと)が鎮座し、水神として崇められてきました。付近を通る船の安全航路を守る神として地域に根付いており、琵琶湖のパワースポットとして多くの人が訪れています。
竹生島の名は「神を斎く(いつく)島」に由来し、その中の「いつくしま」が「つくぶすま」と変じ「竹生島」になったのだとか。また、島の形が楽器の笙(しょう)に似ていることから「竹」「生」とつけられたという説も。
また、琵琶湖全体に広がる、さまざまな美しい風景として認められた「琵琶湖八景」にも選定されている竹生島。平家物語『竹生嶋詣』や謡曲「竹生島」にも神秘的な美しさを秘めた島として登場します。
宝厳寺本堂
県北部の各港から船で約30分。竹生島に上陸し、165段の石段を上ると見えてくるのが「宝厳寺(ほうごんじ)」です。本尊は弁才天で、神奈川県の江ノ島、広島県・宮島にある厳島とともに三弁才天と呼ばれています。同寺で必ずチェックしたいのが国宝の「唐門」。豊臣秀吉が建てた大坂城の極楽門を移築したものといわれています。現存する唯一の大坂城遺構とされ、注目を集めています。
同寺の宝物殿には文化財として大変貴重な宝物の数々が所蔵されています。また、桃山様式で建築された重要文化財の「舟廊下」も見どころのひとつです。
宝物殿に所蔵される宝物/不動明王坐像
宝物殿に所蔵される宝物/空海請来目録
重要文化財の舟廊下。当時の建築様式をうかがい知ることができる。
本殿
宝厳寺の舟廊下を渡った先にあるのが「都久夫須麻(つくぶすま)神社」。豊臣秀吉が晩年に築城した伏見城の遺構とされています。当時の華やかできらびやかな装飾が施された襖や柱、欄間など、桃山美術の素晴らしさを堪能することができます。襖絵と天井画は、安土桃山時代の絵師・狩野光信(かのう・みつのぶ)の筆と伝えられています。
同神社でぜひ挑戦したいのが、平家物語にもでてくる「かわら投げ」。願いを書いた素焼きの小皿を拝殿から岩場に立つ鳥居に向かって投げます。鳥居をくぐれば願い事が叶うと言われています。
本殿から琵琶湖に突き出た鳥居へ小皿を投げます。成功するか否か、願掛けスポットとして人気。
日本遺産に認定された美しい景色はもちろんのこと、国宝や貴重な宝物など数多くの歴史と文化が残る竹生島。船でしか行けないからこそ味わえる特別な旅が体験できそう。
これから夏に向けては水辺観光のベストシーズン。湖の風を感じながら、竹生島を堪能してみてください。
■場所 滋賀県長浜市早崎町竹生島
■入島料 中学生以上600円、小学生300円
■アクセス 長浜港・今津港・彦根港から観光船で約30分
船の運行状況、時刻、料金などは各社のホームページで確認を。
■問合せ 0749-53-2650(長浜観光協会)
(サイト内で「竹生島」と検索を)
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